「アダルトな女たち」
8月1日~5日 赤坂レッドシアターにて上演 企画・脚本・演出=江頭美智留 出演=セクシー寄席 他 *日替わりゲスト出演男性 8月1日(水) 中村優一 8月2日(木) 清水順二(30-Delux) 8月3日(金) 三上真史 8月4日(土) 河合龍之介 *昼夜公演とも出演 8月5日(日) 黒田アーサー*昼夜公演とも出演 各種プレイガイド及びWAHAHA本舗にて発売中 「アダルトな女たち」チラシ表 拡大はこちら 「アダルトな女たち」チラシ裏 拡大はこちら WAHAHA本舗 公式サイト セクシー寄席 オカンへの手紙風 日替わりブログ セクシー寄席 愛の劇場 DHE株式会社 (旧デジタルハリウッド・エンタテインメント) カテゴリ
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私にだっていじめられ経験はある。 本来ボーッとした性格なので、しばらくの間いじめられている事に 気がつかなかったのであるが、ある日上履きが忽然と姿を消していた。 中学生日記の様な現象だと空っぽの下駄箱をながめていると背後から声がした。 同じクラスのUとその仲間達軍団であった。 Uは見るからに意地の悪そうな顔をしており、かといって決してブスではなく どちらかというとかわいい顔で、絵にするとこんな感じだ。 意地の悪い人は目がつり上がっていると相場が決まっているがどうしてだろうか。 意地が悪いからつり上がるのか、つり上がっているから意地悪になるのか 果てしなくどうでもいい疑問で頭が一杯になったが、それはUの発言で打ち消された。 「上履きなくなったんでしょ?早く先生に言った方がいいんじゃない?」 ニヤニヤ笑いながらそう言うUは、大映ドラマで言えば片平なぎさだったり 冬ソナで言えばチェリンだったりで、おまえが上履き隠したんやろ!はよ出さんかいと 腹の底からむかついたが、私は天秤座で何事にも争い毎を嫌い 出来れば穏便に事を運びたいという性格が勝ち 「うん、そうだね」 と素直に従ったのである。 せせら笑うU達の声を背に受けながら職員室に向かう。 そして一体私が何をしたのか考えてみた。 何もしていないぞ。 クラスでも大人しい方で、隣の席の男子に 「矢原ってだれ?」 と言われるほどの、存在感のなさに定評のある私だ。 いじめられる理由などどこにもない。 では何故なんだろう・・・ 気が付くと職員室の前だった。 私の担任は河野先生という男性の先生で、眉間にグッサリと 天知茂ばりの深いシワが二本ある角刈りの目つきの鋭い・・・ つまり見た目は非常に怖い先生である。 しゃべり方も顔に似合ってとても怖かったが、慣れてくるととてもハートの熱い 良い先生であった。 そして話の最後に必ず「つんじゃら」と言うのであだ名は自動的に『つんじゃら』 「おまえらちゃんとせいっつんじゃら~」 「給食の準備が遅いっつんじゃら~」 「つんじゃら」は浅香光代でいうところの「冗談じゃないっていってんだよ」の 「いってんだよ」の部分に当たり、どこかの方言であると思われる。 机で他の先生と雑談をしていた先生に上履きを何者にかに隠された旨を話すと 「ナニ!それはどこのといつだ!許せん!!」 といって引き出しから小型ナイフを机の上にドンッと突き刺したのである。 ヒィッと驚いている私の前を横切り つんじゃらはツカツカと校内放送のマイクに向かった。 「全校生徒に告ぐ!矢原加奈子の上履きを盗んだ奴、今すぐ返しなさい!! 矢原加奈子の上履きを盗んだ者ははよ返せっつんじゃら~! 矢原加奈子の上履きを隠した者!速やかに返さんとぶちくらすぞっつんじゃら~! 矢原加奈子の・・・」 先生に告げ口をしたと更にいじめられる様な気がして、内心ビクビクしていたが ここまで直接的にしかも何度もいろんなパターンで訴えてくれたら またいじめられても先生に言えばぶちくらしてくれるなぁと複雑な気持ちで 安心したものである。 下駄箱に戻ると上履きも戻ってきていた。 そこにU達もいて 「本当に先生に言うとか信じられん。先輩が隠しちょーかも知れんのに どげんなっても知らんけんね」 悔しい思いで泣くのをこらえながら、私は犯罪者になってもいいからアイツを殺す などと燃えたぎって怒ったものである。 その後、特にいじめられる事はなく、再びのほほんとした毎日を送り あんな奴のせいで殺人者になって人生を棒に振ってしまう方がばかばかしいと 思い、同じクラスであったがまったく相手にしない事に決め込んだ。 以来、私はつり上がりの目の人は苦手である。 しかし大人になる過程で、つり目だけどいい人にも出会っている。 たれ目だけどひどい人にも出会った。 だからといって外見に惑わされる事がなくなったかといえばそうではなく 未だにつり上がり目の人にはビクビクして、いじめられた体験を思い出してしまうが 同時に、ナイフを立てて怒ってくれたつんじゃらの事も思いだし 今はどうしているのだろうと、ひとり意味なく微笑むのであった。
by onnatachi
| 2007-07-13 10:31
| 矢原加奈子
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